「愛国」。「コシヒカリ」の重要な親品種の1つです。
従来、「コシヒカリ」の耐冷性は「亀の尾」から受け継いだものと言われてきましたが、最近の研究ではこの「愛国」の貢献も大きかった事が分かってきました。
「コシヒカリ」は外見も「亀の尾」の方に良く似ていて、「愛国」の面影は薄い感じなんですが、DNAとか調べるとかなり「愛国」から受け継いでいる部分も多いそうです。
21’年の栽培では遅植えしたせいか草姿はコンパクトでしたが、普通期栽培では「亀の尾」並の草丈で、耐倒伏性は「亀の尾」よりやや強い様です。
低温に強く、強健で耐病性にも富み、良くない環境でもソコソコ穫れる、在来種としては作り易い品種です。
モミの先とノギに濁った赤褐色の着色がありますので、穂が小豆色がかって見えます。熟色も濁った汚れた感じで見た目はあまり良くありませんが、個性的な感じでいかにも「在来種」と言う実感があります。
美味しくない、と言う評価もある様ですが、私の印象は甘口でソコソコイケる感じでした。
本園2021年の栽培では、播種 5月29日、田植え 6月25日、出穂 8月25日前後、収穫 9月25日でした。
播種または田植えをもう2週間~20日早めた方が良さそうでしたが、地域によっても異なりますが、だいたい「コシヒカリ」に準じた栽培暦で良いと思います。
肥料は結構やっても倒伏しにくいんじゃないかと思いますが、味を重視する場合は無肥料或いは少肥栽培が良いと思います。
他の種子も全てそうですが、収穫物の販売を想定しての品質、形質の管理は行っておりませんので、家庭菜園、自給栽培に限ってのご利用でお願いいたします。
営利栽培でのご利用はご遠慮ください。
採種年月 2021年10月
栽培条件 普通の肥沃度の採種田で無施肥栽培しました。
不耕起、無除草、無施肥、化学物質等一切使用していない自然のタネです。
いもち病防除には「石灰」を用いました。
発芽率 80%以上(2022年2月現在)
種籾は鶏卵が浮くくらいの強めの比重選を行って厳選済みです。